この記事の要点

  • IT業界に単一の公的定義はなく情報通信産業の9部門で見る
  • 厚労省job tagは業界を5分野に整理し複数分野の企業もある
  • SIer・受託・自社開発・SaaSで収益源と働き方が変わる
  • 応募先が元請けか下請けかは募集要項と公式情報で確認
  • 業界研究は分類・分野・職種・企業の順に絞ると迷いにくい

01IT業界の範囲はどこまで?5分野を業界地図で先に確認

5分野の違い
主要分野の役割を見比べる
POINT

IT業界に単一の公的定義はなく、総務省の「情報通信産業」という枠組みと、職業情報サイトの5分野という整理を重ねて見るのが実用的です。

公的な分類ではIT業界はどう定義されているか

「IT業界」という名前の公的な業種区分は、実はありません。総務省は「情報通信産業」を、次の9部門で定義しています。

  • 通信業
  • 放送業
  • 情報サービス業
  • インターネット附随サービス業
  • 映像・音声・文字情報制作業
  • 情報通信関連製造業
  • 情報通信関連サービス業
  • 情報通信関連建設業
  • 研究

IT業界は、この情報通信産業のうち、通信・ソフト・機器・Webサービスなど「ITを商品にする」領域を指す通称と捉えると整理しやすくなります。放送や映像制作のように、9部門に入っていてもIT業界とは呼ばれにくい部門もあります。

規模感の目安として、2024年の情報通信産業の名目GDPは71.7兆円で、全産業の名目GDPの11.5%でした(2020年価格基準)。

ただし、この数値は基準年を2015年から2020年に改定して再計算したものです。令和6年版白書の2022年の数値(54.7兆円)とは並べて増減を語れません。

ソフトウェア・通信・Webサービス・SIerは同じ業界なのか

5つとも同じ「IT業界」にまとめて扱われます。ただし、事業の中身も稼ぎ方もかなり違います。

厚生労働省の職業情報サイト(job tag)は、IT業界を次の5分野に分類しています。複数の分野にまたがって事業を展開する企業もある、という注記つきです。

  • ソフトウェア
  • ハードウェア
  • 通信サービス
  • インターネット・Web
  • SIer・SES

分け方は資料によって揺れます。たとえば本記事の見出しでは「情報処理サービス」としているSIer領域も、job tagではSIer・SESとして独立した分野です。本記事では、この5分野を整理の軸にします。

IT業界の5分野を一枚で見る業界地図

公的な9部門と5分野の対応を、筆者の整理として表にまとめます。対応づけは公的に決まったものではなく、読み解くための目安です。

分野9部門での位置ひとことで言うと
ソフトウェア情報サービス業ITの中身を作る
ハードウェア情報通信関連製造業機器そのものを作る
情報処理サービス(SIer・SES)情報サービス業企業の仕組みを作る
通信インフラ通信業情報を運ぶ道をつくる
Web・インターネットインターネット附随サービス業サービスを運営する

9部門の定義では、情報サービス部門はプログラム作成や計算サービスなどを担います。インターネット附随サービス部門は、インターネット経由で通信・情報サービスを提供する事業です。

ソフトを作る会社とシステム開発を請け負う会社は、公的分類では同じ情報サービス部門に入り得ます。応募先を見るなら、分類名より「何を売って稼ぐか」で見分けるほうが実態に近くなります。

製造・金融などの事業会社のIT部門とIT業界の違い

製造業や金融機関の情報システム部門は、IT業界ではなく「ITを使う側」の事業会社に含まれます。IT業界は「ITを商品にする側」です。

IT人材はIT企業に限らず、ユーザー企業の情報システム部門や、事業部門でITを高度に活用する人材にも分布しています。

「IT業界で働く」と「ITの仕事をする」は同じではありません。転職先の候補には、事業会社の社内SEという道もあります。頭に置いておくと選択肢が広がります。

025つの主要分野は何が違う?役割と収益源を比較表で整理

分野のつながり
端末から通信、クラウド、サービスまで連なる
POINT

5分野は、作るもの(ソフト・機器)、つなぐもの(通信)、請け負うもの(システム開発)、運営するもの(Webサービス)の4系統に分けると違いがつかめ、収益の出どころもそれぞれ異なります。

分野別の比較表(役割・主な収益源・代表的な職種)

役割はjob tagの分野説明をもとにしています。収益源と職種は一般的な整理として、筆者がまとめた表です。企業ごとに例外があるため、傾向をつかむ目安として見てください。

分野主な収益源代表的な職種
ソフトウェア受託開発費・製品販売・利用料プログラマー、SE
ハードウェア機器の販売組み込みエンジニア
情報処理サービス案件ごとの開発・運用費SE、PM、ITコンサル
通信インフラ通信サービスの利用料インフラエンジニア
Web・インターネット利用料・広告費Webエンジニア、ディレクター

収益源が「売り切り」「継続課金」「案件単位」のどれかで、仕事のリズムも変わります。案件単位なら納期に向けた波があります。継続課金なら、サービスを改善し続ける仕事が中心です。

ソフトウェア業界:パッケージやゲームを作って届ける

OSやアプリ、業務ソフト、ゲームなどを開発する分野です。job tagによると、顧客の依頼で作る受託ソフトウェア開発と、市販パッケージ開発に大別されます。

ゲームは職種ごとの役割分担が明確で、クリエイティブ色が強いのも特徴です。クラウド経由で使うSaaSが広がり、売り切りから利用料型へ移る流れもあります。

ハードウェア業界:コンピューターや機器を作る

PCやスマートフォン、周辺機器、VR機器、ドローンなどの企画・設計・開発を担う分野です。組み込みシステムを担当するエンジニアもここに含まれます。

家電や工場の機器までネットにつながるようになり、機器メーカーがソフト開発も手がける例が増えているとされます。ソフトの素養があるハード志望者は、選べる仕事の幅が広がります。

情報処理サービス業界:システムの開発・運用を請け負う

顧客企業の要望に応じて、システムの構築から運用までを一貫して請け負う分野です。開発の進み方は、要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング、テスト、納品の順。前半を上流工程、後半を下流工程と呼びます。

SIerには、資本関係による次の3つの分け方があります。

  • ユーザー系
  • メーカー系
  • 独立系

SESは、エンジニアが顧客企業に常駐し、業務内容や工数に基づいて報酬が支払われる契約形態です。

通信インフラ業界:ネットワークを支える

電話、インターネット、光ファイバー、無線などの通信サービスを提供する分野です。

回線の構築に加えて、24時間止められない運用や監視も仕事に含まれます。意外に思われるかもしれませんが、スマホやクラウドはすべてこの土台の上で動いています。通信インフラは、他の4分野の前提です。

インターネット・Webサービス業界:サービスを運営する

ポータルサイト、広告、SNS、EC、マーケティングなどを手がける分野です。

job tagでは、比較的小規模な事業者が中心で、組織がフラットな傾向があると説明されています。BtoC(消費者向け)の自社サービスが多く、利用トレンドを読む力が求められる点も、受託中心の分野との違いです。

03お金と仕事はどう流れる?分野のつながりとビジネスモデルの違い

業界と職種の違い
職種は業界をまたいで存在する
POINT

5分野は互いに依存しており、収益の仕組みは「案件単位の受託」「人材提供」「自社サービスの継続課金」に大きく分かれ、請負は多重構造になりやすい点が業界の特徴です。

ハードウェア・通信・クラウド・ソフトウェア・サービスの依存関係

スマホで動画を見る場面を思い浮かべると、依存関係が見えてきます。端末(ハード)の上でアプリ(ソフト)が動き、通信網でサーバーとつながり、Webサービスが動画を届けています。

企業システムを作るSIerは、これらを組み合わせて顧客の仕組みをつくる立場です。job tagでは、ソフト・ハード・ネットワークを組み合わせて提供するSIerと、ソフトのみを提供するソフトウェア業界が対比されています。

経済産業省の資料には、通信インフラやクラウドサーバ、データ基盤、AIモデル、各種アプリが連携して各産業のDXが進む構造が描かれています。

SIer・SES・受託開発・自社開発・SaaSの収益の仕組みを比較

収益の仕組みを筆者の整理で比べたのが、次の表です。公的資料に料金体系や利益率の裏付けはないため、ここでは仕組みの違いだけを見ていきます。

形態顧客稼ぎ方
SIer・受託開発主に企業案件ごとに受託
SES主に企業技術者の労働提供
自社開発主に消費者利用料・広告など
SaaS主に企業利用料の継続課金

受託開発で問われるのは、顧客の業務知識と要件整理力です。自社開発のBtoCでは、マーケティング知識やトレンドを読む力が求められます。

同じ「エンジニア」でも、受託か自社開発かで日々の仕事の中身は変わります。応募先の収益の柱を確認すれば、仕事内容がぐっと見えてきます。

元請け・二次請け・三次請けの多重下請け構造

SIerの世界は、一次請け企業を頂点としたピラミッド型の多重下請け構造です。

経済産業省のガイドラインでは、情報サービス・ソフトウェア産業で元請企業と受託中小企業の間にプログラム作成などの委託取引が一般的に行われている、と説明されています。

一次請けから二次請け、三次請けへと仕事が受け渡されるにつれ、各社が受け持つ範囲は細かく分かれていきます。応募先がどの位置にいるのか、募集要項や公式サイトの取引先の書き方から読み取れるか、一度見てみてください。

多重下請けは働き方や成長機会にどう影響するか

階層が深いほど、担当する業務は限られやすくなります。job tagは、三次請け以降は業務範囲が限られ、キャリアアップの取り組みがままならない課題があると指摘しています。

転職の判断に引き直すなら、深い階層の会社では、要件定義や設計といった上流の経験を積める機会が少なくなりかねない点に注意が必要です。入社後に任される工程の幅と、その後の職務経歴にどう書けるかを、面接で具体的に聞いておくと安心です。

一方で、上流工程と下流工程は立場の上下ではなく、仕事内容と必要スキルの違いだとも説明されています。プログラマーから上流のSEへキャリアチェンジすることも可能です。下流で手を動かす経験を土台に、段階を踏んで上へ進む道は残されています。

クラウドやAIの普及で各分野の関係はどう変わっているか

アプリの一部がネット上で使える形に変わり、ソフトとWebサービスの境目が薄れています。SIerもコンサルや上流工程を強化し、ユーザー企業はシステム内製化を進めて中途採用を増やしています。

下請けから顧客企業や元請けへ転身した例もあります。ソフト・Web・SIといった分野名にこだわらず、「どの顧客のどの課題を解く仕事か」で応募先を探すと、転職先の選択肢は広がります。

04業界と職種は何が違う?どちらから絞ればよいか

POINT

業界は「どんな事業か」、職種は「どんな仕事か」で、転職では職種から先に考えると、業界を横断して選択肢を広げられます。

業界と職種の違い、絞り込みの順番の考え方

業界は会社が何で稼ぐかを、職種は自分が日々何をするかを指します。たとえばコンサルタントは職種です。所属先はシンクタンクや経営コンサルティング会社、システム開発会社など、複数の業界にまたがります。

絞り込みは、やりたい職種を決め、その職種が多い分野を選び、最後に企業を見る順が効率的です。逆に業界から入ると、企業名の印象に引きずられやすくなります。

IT職種の区分には、厚生労働省の調査報告書がITSSなどに基づいて整理した例があります。

  • 企画立案・プロジェクト管理
  • 設計・構築
  • 運用・保守

職種を選ぶ際は、この区分のどこに自分の経験が近いかを見ると整理しやすくなります。

事務職や販売職の経験が活きやすい分野と職種

事務や販売の経験は、エンジニア職以外でも活かせます。営業、マーケティング、バックオフィスなどの業務内容は、他業界と大きく変わりません。

そこにIT業界の知識が加われば強みになる、というのが取材した複数の情報に共通する見方です。コンサルティング職でも、技術営業やセールスエンジニアの経験が役立つとされます。

未経験でも挑戦しやすい入口として、テスターがあります。テスターは未経験でも担当可能とされる一方、テストエンジニアには深い知識が求められます。なお、IT業界で働くために特別な資格が必須とはされていません。

職種別の年収は公的統計でどう確認するか

年収は、職業情報サイトのjob tagで職業ごとに確認できます。掲載されている統計の水準は前述の通りですが、職業分類に対応した統計のため、個別の職種だけの数値とは限りません。

スキル水準別の年収は、次のとおりです(2023年度の厚生労働省委託調査)。

ITSSレベル年収の目安
レベル3600万~900万円
レベル4650万~950万円
レベル5以上700万~1,100万円

この調査は、職種を問わずITスキルレベルが高いほど賃金水準も高くなる傾向を示しています。

05IT業界の将来性は?成長分野の見極め方と知っておきたい懸念点

将来性と懸念点
成長分野と負担の両方を見る
POINT

市場は拡大傾向にある一方、人材不足の試算は古く、AIの影響も職種で異なる可能性があるため、数値は時点と範囲を確認して読む必要があります。

市場拡大とIT人材不足を公的資料でどう読むか

情報通信産業の名目GDPは、2024年に71.7兆円で前年比6.1%増でした(2020年価格)。多くの部門は横ばいですが、情報サービス業とインターネット附随サービス業などは増加傾向にあります。

人材不足については、2016年の経済産業省調査として、2030年に最大約79万人の需給ギャップが生じる可能性が紹介されました。ただしこれは2019年3月の報告書が紹介する古い試算で、現在の数値ではありません。

統計は調査ごとに対象範囲が違います。総務省の2025年情報通信業基本調査が対象とするのは、電気通信業、放送業、テレビジョン番組制作業、インターネット附随サービス業の4業種です。IT業界全体の数値ではない点に注意してください。

AI・自動化で仕事や分野の構成はどう変わる可能性があるか

厚生労働省の令和8年版労働経済の分析は、AIが雇用や労働需要に与える影響は職種などで異なる可能性があると述べています。

同じ資料は、論理的思考力、批判的思考力、コミュニケーション能力といった「メタスキル」の重要性が高まる可能性にも触れています。

つまり「IT職が減る」「増える」と断定できる材料ではありません。コードを書く力に加えて、課題を整理して人に伝える力も磨いておく。そんな備え方が現実的です。

学習の継続・残業や緊急対応・下請け構造などのデメリット

将来性だけでなく、負担も把握しておきましょう。取材で共通していた懸念点は次のとおりです。

  • 技術の変化が速く、学習を続ける必要がある
  • 納期前は忙しくなりやすい
  • 保守運用では深夜・休日対応が生じる場合がある
  • 下請けの階層によっては業務範囲が限られる

対処法は、募集要項と面接で、担当工程、運用体制、教育制度を具体的に聞くことです。分野や企業による差が大きく、IT業界全体を一括りにはできません。

06公式情報で進めるIT業界研究の手順と比較のコツ

業界研究の進め方
分類から企業へ順に絞って調べる
POINT

業界研究は、分類、分野、職種、企業の順に絞り、企業の公式情報で事業の柱と収益源を確かめると、入社後のミスマッチを減らせます。

最初に確認する順番は分類・分野・職種・企業

最初に、5分野のどこに興味があるかを決めます。その分野で募集の多い職種を調べたうえで、企業を比べる流れです。企業名から入ると、事業の違いが見えにくくなります。

業界研究と企業研究は別物です。前者は業界全体の構造や動向を調べる作業、後者は個別企業の戦略や強みを調べる作業にあたります。この記事が扱うのは前者までです。

公式採用サイトで事業内容と分野を見分けるポイント

1社が複数の分野を手がけることは珍しくありません。1社1分野で判断すると、実態を見誤る危険があります。公式サイトでは、次の点を探してみてください。

  • 顧客が企業か消費者か
  • 受託か自社サービスか
  • 元請けか下請けか
  • 募集職種の工程(上流か下流か)

メーカー系、ユーザー系、独立系のどれにあたるかも、SIerを見分ける手がかりになります。

有価証券報告書で事業の柱と収益源を確かめる方法

上場企業であれば、有価証券報告書で事業の内容やセグメントごとの売上を確認できます。どの事業が収益の柱なのかを知るのに役立ちます。

なお、記載の細かい読み方は金融庁のEDINETなど、一次情報で確かめてください。ビジネスモデルは「顧客は誰か」「何を提供するか」「どう収益化するか」の3点で整理すると、企業どうしを比べやすくなります。

自分に合う分野を選ぶ比較項目(事業内容・開発体制・働き方)

比較の基本は次の3軸です。順位をつけるより、自分の優先順位に合うかどうかで見ていきます。

軸確認すること
事業内容顧客、収益の柱、扱う製品
開発体制元請けか、受託か自社か
働き方雇用形態、リモート可否

リモートワークの可否は企業による差が大きい項目です。募集要項や面接で確かめるのが確実です。

07自分はどの分野から調べる?次の一歩チェックリスト

POINT

分野選びは「関わり方」「顧客」「強み」の3点に答えるだけで絞れ、分野が決まれば個別企業の調査に進めます。

気になる分野を決めるための3つの確認事項

次の3つに答えを出してみてください。

  • 作る(ソフト・ハード)、つなぐ(通信)、運営する(Web)、仕組みを支える(SI)のどれに関わるか
  • 顧客は企業(BtoB)か消費者(BtoC)か
  • 活かせる強み(前職の経験、学習意欲など)

3問とも迷うなら、まずは前職の強みを軸に職種を決めるところから始めてみてください。

分野を絞ったあとに個別の企業を調べる流れ

分野が決まったら、その分野の企業の公式採用サイトで事業内容を読みます。会社概要では事業の柱を確かめましょう。そのうえで、前章の比較項目に沿って複数社を見比べます。

学習が必要な場合は、経済産業省が認定する第四次産業革命スキル習得講座のような社会人向けの教育訓練講座も選択肢になります。認定は年2回とされ、基礎・初級のITスキルは対象外です。

08ITコンサルタント

POINT

ITコンサルタントは顧客の経営課題をITで解決する職種で、IT業界の職種のひとつです。

ITコンサルタントは「業界」ではなく「職種」

前述の通り、IT戦略の提案や助言が軸となる仕事で、経営戦略の策定から課題の整理・分析、解決策の検討まで担います。

属する業界は情報通信業で、勤務先はシンクタンクや経営コンサルティング会社などになります。

業務の例は次のとおりです。

  • 長期のIT戦略づくり
  • ERP・CRMなどのパッケージ導入支援
  • RPAによる業務自動化の支援

いずれも、顧客の経営課題にITで応える仕事といえます。

なり方と必要な力

一般的な経路は、IT企業でSEとして経験を積むことです。技術営業やプリセールスの経験も役立つとされます。

意外に思われるかもしれませんが、必須の資格はありません。経営やITの知識に加え、顧客の話を聞いて課題を整理する力が問われます。

未経験からいきなり目指すより、開発や営業で実務経験を積み、段階的に上流へ移る道のほうが現実的です。

SUMMARYまとめ

IT業界には単一の公的な定義がなく、分野ごとに役割も収益源も働き方も違います。分野、BtoBかBtoCか、受託か自社開発かの順に絞ると、応募先の輪郭が見えてきます。

業界と職種は別の軸です。前職の経験が活きる職種から逆算する方法もあります。IT業界への転職を考え始めたばかりで、どこから調べるか迷っている方に向いた整理です。

ここまで読んだ方が次にやることは1つだけです。気になる分野を1つ決めて、その分野の公式採用サイトで事業内容と開発体制を確かめてみてください。

FAQ

よくある質問

QIT業界とは、具体的にどこまでの範囲を指しますか?
A公的な統計に「IT業界」という単一の定義はなく、総務省は通信業、情報サービス業、インターネット附随サービス業、情報通信関連製造業などを含む9部門を「情報通信産業」として扱っています。一般には、ソフトウェア、ハードウェア、通信、インターネット・Web、SIer・SESの5分野に分けて整理されます。この5分野は厚生労働省の職業情報サイトが示す分け方で、複数分野にまたがる企業もあります。
Q製造・金融などの事業会社のIT部門は、IT業界に入りますか?
A基本的には別の位置づけです。IT業界は「ITを商品として提供する側」、事業会社の情報システム部門は「ITを自社の事業のために使う側」と整理できます。ただしIT人材はIT企業だけでなく、ユーザー企業の情報システム部門などにも分布しています。IT業界で働く人とIT人材は同じ意味ではないため、転職先は両方を視野に入れて検討できます。
QSIer、SES、受託開発、自社開発、SaaSは何が違いますか?
Aお金の出どころと働き方が違います。SIerは顧客のシステムを構築から運用まで請け負い、SESはエンジニアが顧客先で業務や工数に応じた報酬で働く契約形態です。自社開発やSaaSは自社サービスを提供して利用料や広告費などで収益を得る形が中心です。同じ「エンジニア」でも求められるスキルや進め方が変わるため、応募先の事業モデルを公式サイトで確認しましょう。
Q多重下請け構造は、働き方や成長機会にどう影響しますか?
A経済産業省のガイドラインは、情報サービス・ソフトウェア産業で多重かつ不透明な請負関係が一般化していると指摘しています。一次請けを頂点とするピラミッド型の構造で、下の階層ほど担当できる工程が限られ、経験を積みにくくなる場合があります。上流と下流は立場の上下ではなく仕事内容の違いですが、応募時には元請けか下請けか、担当工程はどこかを募集要項で確認すると失敗を減らせます。
QIT業界と職種はどちらから絞ればよいですか?
A先に職種の方向性を決め、そのうえで分野と企業へ進める順番が進めやすいです。業界は「何の事業か」、職種は「どんな仕事か」の違いで、営業や事務、マーケティングなどはIT以外の業界とも共通する職種です。前職の経験が活きる職種を見極め、次に分野を選び、最後に各社の事業内容を比べる流れがおすすめです。

出典・参考

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