この記事の要点

  • IT企業は正式な区分ではなく、公的統計の情報通信業には通信や放送も含まれる
  • 収益の入り方は受託、SES、自社サービス、広告型などで異なる
  • IT企業の職種は開発系のほか、営業、CS、企画、バックオフィスにも広がる
  • 事業、顧客、職種をセットで見ると、仕事内容を具体化しやすい
  • 応募前は事業内容、主要顧客、自社開発か受託かを同じ項目で比較する

01IT企業とは情報技術で価値を提供し収益を得る会社のこと

身近なサービスの裏側
アプリの裏で分業が動く
POINT

IT企業は、情報技術を使った製品やサービスを提供して対価を得る会社の総称で、法令や統計に正式な区分はなく、職種もプログラマーに限りません。

IT企業とIT業界の違いと、メーカーや銀行のIT部門は含まれるのか

ITはInformation Technology、つまり情報技術の略です。IT企業は、その技術を使った製品やサービスを売り、収益を得る会社を指します。

IT業界は、そうした会社が集まる市場全体の呼び名です。職業情報提供サイトのjobtagは、IT業界の主な分野として、ソフトウェア、ハードウェア、通信サービス、インターネット、SIerとSESの5つを整理しています。複数の分野にまたがる会社もあるのが実情です。

メーカーや銀行の情報システム部門が含まれるのか、気になる方は多いと思います。判断の軸は、会社の主な収益源が情報技術のサービスかどうかです。

銀行の情報システム部門は、銀行というサービスを支える社内の部署です。その仕組みを銀行から請け負って作る会社は、IT企業にあたります。

転職を考えるなら、肩書きより「どこから売上を得ているか」を見るのが近道です。

公的な産業分類では情報サービス業やソフトウェア業とどう関係するか

「IT企業」という言葉は、法令や統計の正式な区分ではありません。公的統計で近いのは「情報通信業」で、日本標準産業分類の中分類37「通信業」、39「情報サービス業」、40「インターネット附随サービス業」におおむね該当します。

ただし、この区分を「IT企業の一覧」と読むのは避けたほうがよいと考えます。国税庁の統計で情報通信業に含まれるのは、次の5つだからです。

  • 通信業
  • 放送業
  • 情報サービス業
  • インターネット附随サービス業
  • 映像・音声・文字情報制作業

テレビ局や映像制作会社まで同じ箱に入っています。統計の数字を見て「IT業界はこうだ」と語る記事があれば、この範囲の広さを割り引いて読んでください。

つまり公的な「情報通信業」は、転職者が思い浮かべるIT企業より、ずっと広い区分です。

なお、パソコンなどを作る情報通信機械器具製造業は製造業に属し、情報通信業とは別の業種です。

「全員がプログラマー」ではない?IT企業で働く人の顔ぶれ

IT企業の社員がみなコードを書くわけではありません。顔ぶれは大きく次のように分かれます。

  • エンジニア(開発、インフラ、セキュリティなど)
  • プロジェクトマネージャー
  • ITコンサルタント
  • 営業、カスタマーサクセス
  • 経理、法務、人事などのバックオフィス
  • デザイナー

営業、PM、コンサル、カスタマーサクセスなどは、文系出身者が多い職種です。

自社サービスを開発するWeb系と、依頼を受けて作るSIerとでは、求められるスキルも働き方も違います。同じ職種名でも、会社のタイプで仕事の中身は変わります。応募前に、その会社がどちらのタイプかを確かめてください。

02LINEやメルカリ、Amazonはどんな会社がどう作っている?

収益モデルの違い
顧客と稼ぎ方で仕事が変わる
POINT

毎日使うアプリや通販の裏側では、開発・運用・営業が分業し、企業向けの業務システムや社会インフラも別のIT企業が支えています。

身近なアプリやサービスの裏側にある開発・運用・営業の役割

検索、ネット通販、フードデリバリー、スマホからのエアコン操作、カーシェアの予約。どれも、サービスを企画する人、作る人、止まらないよう守る人、広める人がそろって初めて動きます。

たとえばメルカリは、在庫を持たず、商品を介して人と人をつなぐプラットフォームです。2019年の経済同友会の分科会では、利用者から取引額の10%を受け取るビジネスモデルだと説明されています。

この手数料を生む土台が、アプリの開発、決済の運用、利用者対応です。作る側に加えて、使われ続ける状態を保つ仕事も欠かせません。

Amazonは通販の印象が強い会社です。ただ、クラウドサービスのAWSも提供しており、通販とクラウドの両面を持つ会社として知られています。LINEやYahoo!のような大手ポータル・SNS系の会社も、アプリの外では広告や決済など複数の事業を営んでいます。

つまり、ひとつのサービス名の裏には複数の職種が並びます。サービス名だけで会社を判断すると、実際の稼ぎ頭を見誤りやすいところです。

業務システムや銀行・交通のシステムもIT企業が支えている

一般の人の目に触れにくい領域にも、IT企業の仕事は広がっています。job tagは、POSレジ、銀行ATM、物流管理システムなどの情報システムを構築・運用するのがSIer・SES分野だと整理しています。

電力・水道・ガスのような重要インフラを制御するシステムについて、セキュリティ診断を担う会社も存在します。

  • 流通:在庫管理、物流の効率化
  • 金融:オンラインバンキング、決済基盤
  • 交通:ICカード、配送ルートの解析
  • 医療:電子カルテ

こうした領域は、使う人が少数の企業でも、止まれば影響が大きい仕事です。派手さは控えめです。顧客が企業や官公庁に限られる分、業界の業務知識が武器になります。

03IT企業はどうやって儲けている?顧客と収益の仕組み

IT企業の職種連携
一つの事業を多職種で支える
POINT

IT企業の稼ぎ方は「案件ごと」「月単位」「継続課金」「広告」の4つが軸で、どの型かによって会社の安定性や社員の働き方も変わります。

受託開発は誰から案件ごとに報酬を受け取るのか

受託開発は、依頼してきた企業や官公庁のシステム開発を請け負い、納品に対して報酬を受け取る形です。一般的には、案件ごとに金額と期間を決めて進めます。

job tagによると、開発は要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング、テスト、納品の流れで進みます。

顧客は企業なので、BtoBの商売です。顧客の業界や業務への理解が、成果を大きく左右します。たとえば物流の管理システムを作るなら、倉庫でどんな作業が行われているかを知らないと、現場で使われない仕組みになりかねません。

一方で、案件が終われば売上も一区切りになります。次の案件を取り続ける営業力と、納期を守る進行管理が、会社の屋台骨です。

営業は、納品後の保守や追加開発まで見据えて顧客と関係を続けます。制作側にしかスケジュールが分からない場面も多いため、営業とエンジニアが確認し合いながら提案を組み立てる会社が一般的です。

SESは人材の技術力を提供して月単位で報酬を得る仕組み

SESは、エンジニアの技術力を顧客のもとに提供し、その労務に対して報酬を得る形態として語られることが多い用語です。月単位の契約が一般的とされますが、条件は会社ごとに異なります。

job tagは、SIerとSESを一つの分野として扱っています。ただ、「成果物を納める」受託開発と、「人の力を提供する」SESでは、契約の考え方がそもそも違います。受託は完成した成果物が評価の対象で、SESは働いた期間の技術提供が対象です。

SESでは、顧客先に常駐するケースが少なくありません。配属先によって仕事内容が決まるため、どんな現場に入るのか、現場はどう選ばれるのかを、応募前に確認しておきたいところです。第6章で整理します。

自社サービスとSaaSは利用料や月額課金で継続的に収益を得る

自社サービスは、自分たちで企画したWebサービスやアプリを運営して稼ぐ型です。SaaSは、クラウド上のソフトウェアを提供する型で、BtoB中心で展開されることが多いとされます。

SaaSはサブスクリプション型で、継続的な売上が積み上がると説明されています。会員制や定額制を、一定期間の利用を前提に価格を決める「継続前提」モデルの例として挙げているのがJ-Net21です。

会員が増えれば売上は積み上がりますが、作って終わりではありません。機能の改善に加え、導入した顧客が使いこなせるよう支える体制が要ります。解約が増えれば売上は減るため、開発だけでなくカスタマーサクセスの役割も重くなります。

料金体系は会社ごとに異なるため、公式サイトで確認してください。月額なのか、利用量に応じた課金なのかで、会社の収益の見え方も変わります。

広告型Webサービスは無料で使えるのになぜ利益が出るのか

無料で使えるサービスの中には、広告主から広告料を得て成り立つものがあります。広告モデルの例としてインターネット検索サービスや動画サービスが挙げられています(J-Net21)。

もう一つの形が、基本機能は無料で一部だけを有料にする「フリーミアム」です。利用者が多いほど収益の機会が広がるため、サービスの使いやすさがそのまま売上を左右します。

この型では、ユーザーの反応を見ながら素早く改善する場面が多くなります。どの画面で利用者が離れたのかを数字で確かめ、次の改善に回す流れです。数字を読む力や企画力のある人に向いた領域です。

収益モデルで変わる会社の安定性と社員の働き方

収益の型ごとの特徴を、一般的な整理として表にまとめます。個社の実態は異なります。

型収益の入り方働き方の傾向
受託開発案件単位納期に向けて波がある
SES月単位常駐先で変わる
SaaS・自社継続課金改善を続ける
広告型広告料数字を見て改善

受託は案件の波に、SaaSは会員の継続率に、広告型は利用者数に、それぞれ業績が左右されます。

企業研究では、この違いを手がかりに会社の説明を読み解けます。事業紹介に「継続利用」とあればSaaS寄りですし、「導入実績」や「開発実績」が並んでいれば受託寄りかもしれません。応募先がどの型なのかを、公式サイトの言葉づかいから見当をつけてみてください。

SIerには、炎上プロジェクトのリスクがあるとも指摘されています。収益の型は、安定性と忙しさの両方に関わる判断軸です。

04IT企業にはどんな職種がある?エンジニア以外の仕事も整理

POINT

IT企業の職種は開発系、営業・コンサル系、技術職以外の3群に分かれ、同じ名前でも会社のタイプで役割が変わるため、仕事の中身で読み替えるのが確実です。

エンジニア・プロジェクトマネージャー・データ職などの開発系職種

開発系の中心は、システムエンジニア(SE)とプログラマーです。SEは顧客の課題を聞いて設計し、プログラマーは設計書に沿ってプログラムを作ります。

インフラ側には、ITインフラを設計する「システムエンジニア(基盤システム)」がいます。通称はインフラエンジニアで、サーバー、OS、ストレージ、ネットワークを設定する仕事です。

データ職もあります。job tagは、データサイエンティスト、データエンジニア、AIエンジニアをSIer/SESの職種に挙げています。

プロジェクトマネージャー(PM)は、開発全体の進行や予算を管理する役割です。複数の職種をつなぐ立場なので、コミュニケーションの比重が大きい仕事といえます。

営業・ITコンサルタント・カスタマーサクセス・企画職の役割

技術を直接使わない仕事も、IT企業には数多くあります。

  • 営業:新規開拓、課題のヒアリング、提案
  • ITコンサルタント:経営課題に対する解決策の提案
  • カスタマーサクセス:導入後の活用支援、トラブル対応
  • 企画:サービスや機能の方向性の決定

カスタマーサクセスは、SaaSのように継続利用が収益になる会社で特に存在感が増します。営業が契約を取り、カスタマーサクセスが使い続けてもらう流れです。

セールスエンジニアのように、営業に同行して技術面を説明する職種もあります。営業と技術の橋渡し役です。

バックオフィスやデザイナーなど技術職以外の職種

IT企業にも、経理・財務・法務・人事・総務といったバックオフィスがあります。会社の成長に合わせて制度を整える役割で、一般企業と共通する仕事も多い領域です。

デザイナーでは、UI/UXデザイナーやWebデザイナーが代表的です。job tagは、インターネット分野の職種にWebマーケティング、Webディレクター、Webデザイナーを挙げています。

会社によっては、Webデザイナーがコーディングまで任されることもあります。募集要項の仕事内容欄で、どこまで含むのかを確かめておくとよいでしょう。

同じ会社の中で職種はどう役割分担しているか

典型的な受託案件では、営業が顧客と契約し、ITコンサルタントやSEが要件を整理します。SEが設計書を作り、プログラマーが開発し、テストを経て納品する流れです。

納品後は、運用・保守の担当が引き継ぎます。インフラエンジニアが環境を整え、カスタマーサクセスや問い合わせ窓口が利用者を支える会社もあります。

ただし、SEが上流工程中心なのか、開発やテストまで担当するのかは企業ごとに異なります。同じ「SE」という肩書きでも、実際の守備範囲は会社次第です。

企業の事業・顧客・職種の対応表

一般的な整理として、事業タイプ別に顧客と職種を並べました。個社の実態は、必ず公式採用ページで確かめてください。

事業タイプ主な顧客代表的な職種
SIer・受託開発企業・官公庁SE、PM、営業
SES企業(常駐先)SE、インフラ
SaaS・ソフト企業中心開発、CS、営業
自社Webサービス一般消費者開発、企画、デザイン
通信インフラ企業・個人基盤SE、通信技術者

SIerの分類として、job tagはユーザー系、メーカー系、独立系を挙げています。

この表からは、顧客が企業か消費者かで求められる知識が変わる点が読み取れます。BtoBでは顧客の業界・業務知識が、BtoCではマーケティング知識やトレンドを読む力が求められます。

公的な職業解説と採用ページの職種名がずれるときの読み替え方

会社の分類(産業)と、人の仕事の分類(職業)は別の物差しです。総務省の職業分類は、従事者の仕事の類似性に着目して区分する統計基準として設けられています。

そのため、公的な職業解説にある「システムエンジニア(基盤システム)」が、採用ページでは「インフラエンジニア」「クラウドエンジニア」と書かれることがあります。実際、job tagでもインフラエンジニアとも呼ばれると説明されています。

読み替えのコツは、肩書きではなく「何を作り、誰に提供し、どの工程を担うか」を見ることです。募集要項の仕事内容欄を、自分の知っている職種名に置き換えて読んでみてください。

05IT企業で働く魅力と注意点:向き不向きや未経験からの目指し方

企業研究のチェック
応募前に見るべきポイント
POINT

IT企業は専門性と業界の幅が魅力ですが、学び続ける負担と納期の波があり、年収は企業タイプで差が出るため、平均値より自分の応募先で判断することが肝心です。

専門性が身につき、さまざまな業界に関われるメリット

IT企業の魅力は、身につけた技術が他の会社や分野でも通用しやすいことです。顧客は金融、物流、医療など幅広い業界にまたがるため、関われる分野も広がります。

リモートワークやフレックスの導入率は業界トップだとする記述もあります。ただ、会社によって差があり、すべての企業が自由とは限りません。

学び続ける負担や納期のプレッシャーなどのデメリット

技術は日々変わるので、入社後も学び続けることになります。セキュリティエンジニアも、日々の勉強が欠かせないと語っています。

納期前は残業が増える傾向もあります。基盤システムを担当するシステムエンジニアも、納期前やテスト工程では残業が多くなりがちだとされています。

学習が苦にならないか、波のある働き方を受け入れられるか。向き不向きは、この2点でおおよそ判断できます。

年収は高め?スキルや企業タイプで差が出る点の見方

国税庁の令和6年分の調査では、全業種の平均給与は478万円です(1年を通じて勤務した給与所得者)。この数字はIT企業に限ったものではありません。

同じ調査の業種別統計には「情報通信業」の区分がありますが、通信業や放送業も含まれています。

基盤SEの全国統計では、令和7年賃金構造基本統計調査で年収889万円と掲載されています(職業単位の値)。企業タイプ、職種、経験で差が出るので、単一の平均値で判断するのは避けましょう。

未経験や営業・事務職出身でも応募しやすい職種と準備

job tagは、IT業界で働くのに特別な資格は要らず、未経験者を採用する企業もあると説明しています。

営業やバックオフィスの経験を活かしやすい職種は次のとおりです。

  • 営業、セールスエンジニア
  • カスタマーサクセス
  • 企画、バックオフィス

営業・PM・コンサル・カスタマーサクセスは、文系出身者も多いとされます。

準備としては、プログラミングを1言語学び、小さな成果物を公開する方法があります。志望動機は、なぜIT業界か、なぜその会社かを分けて語れるようにしておきましょう。

06応募前に確認したいIT企業の見極め方と企業研究のチェックポイント

POINT

応募前は、事業内容・主要顧客・開発形態・労働条件の4点を、公式サイト、求人票、面接の順で確かめれば、入社後のギャップを大きく減らせます。

公式サイトで事業内容・主要顧客・自社サービスの有無を確認する

公式サイトと採用ページは、基本情報や社員インタビューを得られる一次情報です。上場企業ならIR資料もあり、業績や戦略、リスクまで確認できます。

見ておきたい項目は次のとおりです。

  • 事業内容と収益の柱
  • 主要顧客(企業向けか消費者向けか)
  • 自社サービスの有無
  • 自社開発か受託か

IT企業の研究では、技術スタック、自社サービスか受託か、成長率が確認ポイントとされています。まずは、この項目を一つずつ埋めていくところから始めてみてください。

求人票の「自社開発」「受託開発」「客先常駐」から働き方を読み解く

求人票の開発形態の記載は、働き方を読む手がかりになります。自社開発ならサービスを育てる仕事、受託なら顧客の要望に沿う仕事が中心になりやすいでしょう。

客先常駐の有無は、勤務地や仕事内容に直結します。記載がなければ、面接で配属の決まり方や常駐比率を尋ねてください。

給与の内訳、固定残業代の時間数、年間休日数、平均残業時間も見どころです。具体的な数字で示されているかを確かめましょう。

面接や応募前に確認したい労働環境・育成・評価の項目

面接で聞きたい項目を挙げます。

  • 研修の内容と期間
  • 配属・職種変更の考え方
  • 評価の基準と頻度
  • 繁忙期の残業と当番体制
  • 若手の裁量の範囲

教育体制や若手の裁量は、企業研究の視点として示されています。企業の公式情報と面接での回答を照らし合わせると、食い違いに気づきやすくなります。

ブラック企業を避けるための注意サイン

特定の会社を「ブラック」と断定する根拠は、外からは得にくいものです。代わりに、求人票に表れる注意サインを組み合わせて見ます。

  • 給与の内訳や固定残業代が不明
  • 年間休日数の記載がない
  • 仕事内容が抽象的
  • 会社情報が乏しい
  • 常に大量募集している

複数が重なるほど、慎重に判断するとされています。

口コミは主観を含むため、複数の声に共通する傾向や、事実ベースの記述を見るのが無難です。

07ネットワークエンジニア

POINT

ネットワークエンジニアは、通信網の設計から運用・保守までを担い、止まれば業務に影響が出るため慎重さが求められるインフラ職です。

ネットワークエンジニアは、企業内ネットワークやインターネット接続を、規模や目的に合わせて設計・構築し、運用する仕事です。障害が起きたときは、原因を特定して復旧にあたります。

職業分類上は、システムエンジニア(基盤システム)の一部として扱われます。大規模システムでは、ネットワークエンジニアとデータベースエンジニアが役割を分担することもあります。

勤務先は、SIerやシステム開発会社、通信サービスの会社などです。物理サーバーの構築では顧客先に出向き、クラウド構築ではリモートで作業する場合もあります。

機器やケーブルといった物理面と、設定などのソフト面の両方の知識が要ります。地道な確認作業が苦にならない人に向く仕事です。

08セキュリティエンジニア

POINT

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃から情報システムを守る専門職で、防御・診断・管理など複数の領域があり、学び続ける姿勢が前提です。

サイバーセキュリティエンジニアは、情報システムやネットワークをサイバー攻撃から守る仕事です。対策の計画・設計・実装・運用までを担います。

業務は「防御・運用」「設計・開発」「攻撃・診断」「管理・戦略」「調査・研究」の5領域に整理されています。

所属先は、企業内のセキュリティ部門、専門ベンダー、コンサルティング会社などです。

たとえば重要インフラ向けでは、制御システムのリスクアセスメントや、模擬攻撃による脆弱性診断を行う例があります。

攻撃の手口は日々巧妙になっています。そのため、ニュースを追い、資格取得で知識を補い続ける人が多い職種です。守る側が立ち止まれないという点は、この仕事の厳しさであり面白さでもあるのでしょう。

09クラウド

クラウドとIT企業
提供・導入支援・運用の3つの立場
POINT

クラウドは、必要な分だけITリソースを使える仕組みで、IaaS・PaaS・SaaSの3層に分かれ、導入支援や運用を担う職種の需要が広がっています。

クラウドは、ネットワーク経由でサーバーやソフトウェアなどのITリソースを利用する形態です。

job tagは、クラウドサービスを次の3つに分けています。

  • IaaS:ハードウェアやOSを提供
  • PaaS:ミドルウェアまで提供
  • SaaS:アプリケーションまで提供

クラウドの特徴とされるのは、次の4点です。

  • 導入・維持管理コストの削減
  • 拡張性
  • 信頼性
  • 運用保守のしやすさ

IT企業とクラウドの関わり方には、3つの立場があります。

  • クラウド基盤を提供する側
  • 導入を支援する側
  • クラウド上で自社サービスを運営する側

応募先がどの立場かで、仕事の中身は大きく変わります。事業内容と顧客を確認する習慣が、ここでも役に立ちます。

SUMMARYまとめ

IT企業は、事業の種類と収益の入り方によって、顧客も働き方も職種も変わります。社名の知名度だけで選ばず、事業内容、主な顧客、自社サービスの有無、求人票の働き方の書き方を、同じ項目で見比べてみてください。

営業や事務など技術職以外から転職を考える方、受託とWeb系の違いで迷っている方には、特に役立つ見方です。

ここまで読んだ方が次にやることは1つです。気になる会社を3社ほど選び、公式サイトと求人票で今回の確認項目を埋めてみましょう。

FAQ

よくある質問

QIT企業とIT業界は何が違いますか?メーカーや銀行のシステム部門で働く場合もIT企業で働くことになりますか?
AIT企業は情報技術を使った製品やサービスを提供し、それを主な収益源にする会社を指します。IT業界はそうした会社が集まる業界全体の呼び方です。メーカーや銀行のシステム部門は、社内の業務を支える部署なので、一般には事業会社の情報システム部門にあたり、IT企業とは区別して考えるのが自然です。なお「IT企業」は法令や統計の正式な区分ではなく、公的統計の情報通信業には通信業や放送業なども含まれます。
Q受託開発、SES、自社サービス、SaaSでは、誰からどんな形でお金を受け取っているのですか?
A受託開発は、依頼してきた企業から案件ごとに報酬を受け取る形が一般的です。SESは、エンジニアの技術力を顧客に提供し、月単位で対価を受け取る形で整理されることが多いです。自社サービスやSaaSは、利用者から月額などの利用料を継続的に受け取る形が中心です。ただし契約の細かな条件は会社ごとに異なるため、公式サイトや求人票で確認してください。
Q営業職や事務職からIT企業に転職する場合、エンジニア以外にどんな職種がありますか?
AIT企業にはエンジニアのほかに、営業、ITコンサルタント、カスタマーサクセス、企画職、UI/UXデザイナー、経理・人事・総務などのバックオフィスがあります。営業やプロジェクトマネージャー、コンサル、カスタマーサクセスは文系出身者も多いと紹介されることがあります。ただし未経験の採用可否は会社と職種で変わります。募集要項の応募条件と、入社後の研修の有無を確認すると判断しやすくなります。
Q求人票に「自社開発」「受託開発」「客先常駐」と書かれていたら、働き方をどう見分ければよいですか?
A自社開発は自社のサービスを企画・開発・運営する働き方、受託開発は他社から依頼を受けてシステムをつくる働き方、客先常駐は顧客の拠点で業務を行う働き方です。応募前に、開発形態や勤務場所の記載、仕事内容の具体性、募集背景を見比べます。記載が曖昧な場合は、面接で主要顧客、担当する工程、勤務場所、残業や当番体制を質問すると実態に近づけます。
Q公的な職業解説に載っている職種名と、企業の採用ページの職種名がずれているときは、どう読み替えればよいですか?
A公的な職業分類は個人の仕事内容の類似性で職種を区分するもので、会社の産業分類とは別の物差しです。そのため採用ページの呼び名が一致しないことがあります。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、基盤システムのシステムエンジニアはインフラエンジニアとも呼ばれると説明されています。職種名だけで判断せず、募集要項の業務内容(設計、構築、運用など)を見て読み替えるのが確実です。

出典・参考

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