CONTENTS目次(8項目)
この 記事の 要点
- SIerは顧客のシステムを企画から運用保守まで請け負う会社
- 工程は要件定義から保守まで続き、担当範囲は会社や案件で異なる
- 独立系・ユーザー系・メーカー系は親会社の有無で特徴が分かれる
- 年収は産業や職種、賞与の有無など算出条件をそろえて比べる
- 求人票では担当工程・常駐有無・配属・残業の扱いを確認する
01IT業界の SIerは 何を する 会社? 役割と 他の 働き方との 違い

POINTSIerは、顧客企業のシステムを企画から運用までまとめて引き受ける会社の総称です。事業会社の情報システム部門やWeb系自社開発とは、対象にするシステムと役割が違います。
SIerは 顧客の システムを 企画から 運用まで 請け負う 会社
SIerはSystem Integratorの略で、システムという部品をつなぎ合わせて一つの仕組みにまとめる企業を指します。厚生労働省のjob tagでは、一般企業や官公庁向けにシステムを構築・保守し、開発から運用まで一貫して行う企業と説明されています。
SIerは和製英語です。海外ではSystem Integratorと言ったほうが伝わります。
多くの日本企業は、自社独自の業務の流れを持っています。既製のパッケージソフトだけでは合わない場面が多く、顧客に代わって仕組みを設計し、つくり、動かし続ける役割が生まれました。
IT部門がない会社や、あっても開発から運用まで手が回らない会社にとっては、頼れる外部の専門チームです。官公庁、金融、製造、流通など、顧客の業界が幅広いのも特徴です。
事業会社の 情報システム部門・Web系自社開発・SEとの 違い
混同されやすい言葉を整理します。
SE
- 主な対象
- 個人の職種
- SIerとの違い
- SIerは組織、SEはそこで働く人
事業会社の情報システム部門
- 主な対象
- 自社のシステム
- SIerとの違い
- SIerは複数の業界の案件を担当
Web系自社開発
- 主な対象
- 自社のサービス
- SIerとの違い
- SIerは顧客のシステムが対象
お菓子メーカーのIT担当者は、自社のために働きます。一方でSIerが手がけるのは、いろいろな業種・業態の会社の仕事です。
幅広い業界の課題に触れたいならSIer、自社サービスを育てたいなら自社開発を選ぶのが基本の考え方です。
SEは職種名で、SIerの中にも事業会社の中にもいます。SESは契約の形のひとつで、SIerの案件に技術者が入る場面もあります。契約の違いは別の記事で整理するため、ここでは立ち入りません。
02SIerの 仕事は 企画から 運用保守まで どう 進む? 事業・ 工程図で 整理

POINT案件は、企画・要件定義の上流から、設計・開発・テST、導入・運用保守の下流へと進みます。どの工程を担うかは会社と案件で変わりますが、流れ自体は共通しています。
事業・ 工程図で 見る案件の 全体の 流れ
SIerの案件は、一般に次の順で進みます。job tagでは、要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング、テスト、納品の順と説明されています。
企画・要件定義
- 主な内容
- 課題整理、機能の決定
- 担当の目安
- 営業、SE、PM
設計
- 主な内容
- 基本設計、詳細設計
- 担当の目安
- SE
開発・テスト
- 主な内容
- コーディング、各種テスト
- 担当の目安
- プログラマー、SE
導入・運用保守
- 主な内容
- 本番稼働、監視、改修
- 担当の目安
- SE、運用担当
要件定義と設計が上流工程、プログラミングとテストが下流工程です。上流では業務知識、下流ではソフトウェアやネットワークなどの技術知識が求められます。
転職先を選ぶときは、この表のどの段階に自分が長く関わるのかを見てください。求人票の読み方が変わります。同じ「SE募集」でも、上流中心の会社もあれば、開発やテストまで広く担う会社もあります。
担当範囲は会社や案件によって異なります。表は一般的な目安です。
企画・ 要件定義:顧客の 課題を 整理して 形に する 工程
最初の仕事は、顧客の話を聞くことです。現状の業務のどこに困りごとがあるのか、予算はどれくらいかを聞き取り、情報を整理します。
たとえば、紙と目視で在庫を管理していて確認漏れが多い店舗なら、何を自動化したいのか、誰がどの画面を使うのかまで掘り下げて聞きます。顧客自身が欲しい機能を言葉にできていないことも珍しくありません。
会社によっては営業部門が提案を担い、受注後にSEが要件定義へ進みます。要件定義では、必要な機能と要望を書き出し、実現できるかを見て仕様を決めます。
新しくすべてを作る案件もあれば、既存のシステムやパッケージを組み合わせる案件も多くあります。後者では、どの製品をどう組み合わせるかの見極めが腕の見せどころです。
ここで決めたことが、後の工程すべての土台になります。決め漏れがあると、終盤で手戻りが起きやすくなります。
設計・ 開発・ テスト:システムを 作り込む工程
設計は、全体の構成を決める基本設計と、実装内容を詰める詳細設計に分かれます。SEが担う中心領域です。
基本設計では、システム全体の構成や画面、データの扱いを決めます。詳細設計では、それをプログラマーが迷わず書けるところまで具体化します。
開発では、プログラマーがSEの詳細設計に基づいてコーディングし、単体テストを行います。結合テストと総合テストは、SEと一緒に進める場合もあります。
開発の作業には、プログラミングのほか、サーバー環境の構築やネットワーク設定、データベースの構築が含まれることがあります。担当する技術の幅は案件ごとに大きく変わります。
テストでは、要件を満たしているか、性能やセキュリティに問題がないかを確かめます。小規模なら1人で作る例もありますが、大規模では数百人のチームに分かれる場合があります。
人数が増えるほど、設計書やテスト結果といったドキュメントでの意思疎通が欠かせません。コードを書く力と並んで、読みやすい資料を作る力が問われます。
導入・ 運用保守:稼働後を 支える 工程
テストを終えたら、本番環境へ導入します。古いシステムからのデータ移行や、利用者向けの研修、マニュアル作りもこの段階の仕事です。
稼働後に続く主な業務は、次のとおりです。
- 監視
- バックアップ
- セキュリティ更新
- 障害の原因調査
- 問い合わせ対応
運用中は、トラブルへの素早い対応や、顧客から出てくる新しい要望への対応も求められます。納期前後に限らず、稼働後にも急な対応が入ることがあります。働き方を考えるときは、この点も頭に入れてください。
既存システムの修正や機能追加に関わる人も、多いとされています。
意外に思われるかもしれませんが、SIerの仕事は納品して終わりではありません。長く付き合うほど、顧客の業務を深く知る機会が増えます。
未経験入社で 最初に 任されやすい 工程は どこ?
未経験で入る場合、研修のあとに下流寄りの工程から始まることが多いです。受託開発のSEの場合、新卒は入社後3〜4カ月の研修を受けるとされています。配属後は約2年のOJTを経る流れです。
同じ資料では、3年目ごろに詳細設計、5年目ごろに基本設計を含む開発全体を担当できるようになるのが一般的とされています。ただし会社によって差があります。
大手では上流中心で、コードを書く機会が少ない人もいます。技術を伸ばしたいのか、全体を見渡す力を付けたいのかで、合う会社は変わります。
手を動かして技術を磨きたい方は、求人票で開発やテストまで自社で担当するかを確かめてください。全体像をつかんでマネジメントを目指したい方は、要件定義や設計から関われる体制かどうかが判断材料になります。
研修の期間や内容、配属後の育成の流れは、各社の公式採用情報に載っていることが多いです。応募前に読み比べると、入社後のギャップを減らせます。
03独立系・ ユーザー系・ メーカー系… 自分に 合う SIerの 種類は どれ?

POINTSIerは資本関係と扱うシステムで、ユーザー系・メーカー系・独立系に分けるのが一般的です。担当工程、安定性、関われる業界の3点から、合うタイプを絞れます。
独立系SIerの 特徴と 向いている 人
独立系は、資本面で特定の企業に属さないSIerです。メーカーや製品に縛られず、案件ごとに最適な技術を選びやすい傾向があります。
下流工程を担う機会が比較的多く、開発技術を磨きやすい面があります。コードを書いて手に職をつけたい方には、相性のよい環境です。
一方で営業力が業績を左右し、待遇面に差が出る場合もあります。親会社という後ろ盾がない分、会社ごとの違いが大きくなります。事業内容や得意分野は、公式サイトで確かめてください。
JISAの正会員企業を対象にした2024年版の調査では、資本系列は独立系213社(71.0%)でした。ただし、これは回答した300社の集計であり、業界全体の割合ではありません。
幅広い案件を経験したい方や、やりたいことがはっきりしている方なら、選択肢の広い独立系は検討する価値があります。
ユーザー系SIerの 特徴と 向いている 人
ユーザー系は、金融、保険、小売など各業界の企業で、情報システム部門が子会社化したSIerです。金融系なら、親会社の業務に近い勘定系や決済のシステムが得意分野になります。
金融に強いSIerを探している方は、この系統から見ていくと候補を絞りやすくなります。
親会社からの仕事が安定しており、業界の深い知識が身につきます。大手では上流工程が中心になる傾向があります。
上流が中心ということは、顧客との打ち合わせや資料づくりが仕事の多くを占めるということです。コードを書く時間は短くなる場合があります。技術を深めたい方は、入社後の担当範囲を面接で聞いてください。
反面、関われる業界は親会社の周辺に寄りやすくなります。特定の業界でキャリアを築きたい方や、安定を重視する方は、ここが主な候補になるでしょう。
メーカー系SIerの 特徴と 向いている 人
メーカー系は、メーカーやベンダーのIT子会社です。親会社の製品のほか、製造現場向けのシステムやITインフラを扱うことが多くなります。
経営基盤が安定し、研修や資格支援が手厚い傾向があります。ITの知識がゼロの状態から育ててもらいたい方には、心強い環境です。
一方、親会社の製品が中心になるため、顧客に最適な提案がしにくい場面もあります。他社製品のほうが合う案件でも、自社グループの製品を軸に考える場合があるためです。
ハードウェアやインフラ寄りの技術に興味があるなら、この系統から探すのが近道です。製造業に強いSIerを探す場合も、候補に入ります。
外資系・ コンサル系・ 商社系との 違いと 比較表
3分類以外にも、よく比べられる系統があります。分類は媒体によって異なり、同じ会社でも扱いが割れる場合があります。商社系の会社は、ユーザー系とされることも、独立系に近いとされることもあります。
外資系
- 入口
- 海外製品の導入
- 特徴
- 成果型評価、英語を使う場面
コンサル系
- 入口
- 経営・IT戦略
- 特徴
- 上流中心、業務量が多い傾向
商社系
- 入口
- 調達力と販路
- 特徴
- 海外展開に強い傾向
外資系では、日本と企業文化や雇用の考え方が異なる場合があります。コンサル系は上流が中心です。いずれも、応募前に各社の公式サイトで事業内容を確認してください。
表の系統名だけで判断せず、その会社が何を入口に顧客と関わっているかを見るのがコツです。
志望タイプを 見極める 3つの 視点
企業名だけでは違いが見えにくいときは、公式の会社概要と事業紹介を読み比べて、次の3点を確かめます。
- 担当工程:上流中心か、下流も担うか
- 安定性:親会社の有無と受注の柱
- 業界の幅:多業界か、親会社の業界中心か
たとえば「手を動かして技術を磨きたい」なら担当工程を、「長く腰を据えて働きたい」なら安定性を、最優先にします。3点すべてを満たす会社は少ないため、譲れない1点を先に決めておくと、企業選びで迷いにくくなります。
04年収・ 残業・ リモートワークは どこで 差が 出る? 数字の 調べ方

POINT年収や残業は、会社の規模、系統、職種、算出条件で数字が変わります。平均値は一つの目安にとどめ、条件ごとに確認するのが確実です。
大手と 中小の 年収差は 公的統計と 公式採用情報で 確認する
大手と中小の差を知りたいなら、公的な統計と企業の公式採用情報の両方を見てください。
job tagには、受託開発のシステムエンジニアの年収が578.5万円と載っています。令和7年賃金構造基本統計調査によるもので、労働時間は159時間、年齢は37.1歳です。ただしこれは職種全体の数字で、SIerの規模別ではありません。
企業ごとの水準は、募集要項の想定年収や初任給の記載で確かめます。賞与や残業代が含まれているかも、あわせて見てください。
Web系自社開発との 年収・ 残業・ リモート率を 比べる 際の 注意点
Webサービス開発のSEは、フレックスタイム制が多く、在宅勤務も多いとされます。新サービスのリリース前は、残業が増える傾向です。
受託開発のSEも、納期前には休日・夜間の勤務が発生することがあります。
比べるときは、次の点を見てください。
- 職種の定義が同じか
- 年齢層がそろっているか
- 賞与や残業代を含むか
- 繁忙期の残業が含まれているか
リモートの可否は、顧客の情報管理ルールで決まります。インターネットを遮断した環境の案件では、リモート勤務ができません。
SIerは出社、Web系はリモートと決めつけず、募集職種ごとに確認しましょう。
平均年収の 数字を 見る ときに 確認したい 年齢・ 職種・ 算出条件
同じ平均年収でも、出どころによって意味が変わります。見るのは次の3点です。
- 対象:職種か、産業か、会員企業か
- 年齢:若手を含むか、平均年齢はいくつか
- 条件:賞与や時間外手当を含むか
JISAの2024年版調査では、回答企業の平均年齢は41.3歳、ITエンジニアの所定外労働時間は221時間でした。2023年度の単独決算ベースで、回答300社の集計です。
同じ職種でも、ITスキルレベルが高いほど賃金は高い傾向があります。設計・構築の賃金中央値は、レベル1〜2で500.0万円、レベル5以上で700.0万円でした。正社員のみの集計です。
年齢や経験でも差が出ます。数字を比べる前に、この点を頭に入れておいてください。
05SIerは きつい・ やめとけと 言われる 理由と 注意点
POINTきついと言われる背景には、納期前の繁忙、配属先による技術の偏り、請負の立ち位置による担当範囲の差があります。事前に確認できる項目も多く、対処の道筋もあります。
残業が 増えやすい フェーズと 繁忙期の 考え方
残業が増えやすいのは、納期が近いテストの時期と、本番へ切り替える前後です。受託開発のSEは、納期前に休日・夜間勤務が発生することがあるとされています。
開発の終盤は、テストで見つかった不具合の修正と再確認が重なりやすい時期です。顧客の都合で仕様が変われば、その分の作業も後ろに積み上がります。
稼働後に障害が起きれば、夜間でも対応します。運用を担当するなら、交代制や待機の有無を確認したいところです。
とはいえ、常にそうとは限りません。意外に思われるかもしれませんが、繁忙期以外は落ち着く案件もあります。JISAの調査(回答300社、2023年度)では、年次有給休暇の平均取得日数は13.5日、取得率は73.6%でした。
この数字からは、繁忙期をはさみながらも、休みを取れている会社が一定数あることがうかがえます。ただし会員企業の平均であり、個々の案件や部署の実態とは一致しない場合があります。
つまり、会社全体の数字だけでは自分の配属先の働き方は読めません。面接では、直近の案件で忙しかった時期とその長さ、繁忙期の人員のやりくり、休みの取りやすさを聞いておくと、入社後の姿を想像しやすくなります。
客先常駐と 配属に よって 身に つく 技術が 変わる
客先に常駐して働く場合、技術や働き方は配属先の案件で決まります。担当する言語や環境、チームの雰囲気は、会社よりも案件に左右されます。
たとえば同じ会社の新人でも、一人は設計書づくりが中心の案件、もう一人はプログラミングが中心の案件、ということが起こりえます。
小規模な会社では案件数が少なく、業種が偏る場合があります。新しい技術に触れる機会が限られるという声もあります。
配属の決まり方は、会社によって異なります。希望を出せるのか、適性で決まるのかを、面接で聞いておきましょう。あわせて、配属後に案件を替わる時期の目安や、常駐先が自社内か客先かも確認しておくと安心です。
元請け・ 二次請けなど 立ち位置で 担当業務が 変わる 点
SIer業界には、一次請けを頂点とした多重下請けの構造があります。二次請け、三次請け以降では担当業務が限られ、キャリアアップが難しくなる課題があります。
大手が上流を担い、下流を協力会社に任せる分担も多く見られます。立ち位置によって、コードを書く量も顧客と話す量も変わります。
上流中心なら要件整理や調整の経験が積めますが、プログラミングの機会は少なくなる傾向があります。下流中心ならコードに触れる時間は増える一方、顧客の顔が見えにくくなります。どちらが良いかは、身につけたいスキルで決まります。
構造の詳しい解説は別の記事に譲ります。ここでは、どの工程を自分が担当するのかを事前に確認する、という点だけ押さえてください。
技術が 身に つかない 案件に 当たった ときの 対処法
配属後に技術面で物足りなさを感じても、打てる手はあります。
- 上長や先輩に、担当を広げたいと相談する
- 資格の学習を並行して進める
- 社内の別案件への異動希望を出す
- 転職で担当工程を変える
相談するときは、「コードを書きたい」だけでなく、どの工程のどんな作業に挑戦したいかまで伝えると、話が進みやすくなります。
基本情報技術者の資格は、プログラマーの入職時に有利になるとされています。学習の成果を案件の外で示せるのは、強みです。
独学だけで足りるかは、人によって違います。まずは会社の制度と異動の仕組みを確認しましょう。社内で道が開けないと分かった段階で、転職を考えても遅くはありません。
06SIerで 身に つく スキルと キャリアパス~将来性は あるのか~
POINT案件管理、顧客折衝、業界知識は、SIerで育ちやすいスキルです。PMやITコンサルへの道があり、需要は当面続くとみられますが、役割は変化しています。
プロジェクトマネージャーを 目指す道のりと 役立つ資格
SIerの技術系は、プロジェクトマネージャーを頂点としたピラミッド構造です。設計や開発の経験を重ね、チームの管理や顧客との調整を担う方向へ進む道があります。
応用情報技術者試験は、提案書の一部作成や、スコープ・予算・工程・品質の管理ができる水準が対象です。同試験は2026年度の実施をもって現行制度が終わり、2027年度から新制度に移る予定になっています。
基本情報技術者試験は、システムの企画や要件定義への参加など、基礎的な知識と技能を問う試験です。受験の形式は変わる場合があるため、IPAの試験区分ページで最新情報を確認してください。
ITコンサルや 事業会社・Web系へ 転職する 際に アピールできる 経験
転職で評価されやすいのは、次のような経験です。
- 要件定義や設計まで担当した経験
- 特定の業界に関する業務知識
- プロジェクトの進捗やコストの管理経験
- 顧客との折衝と文書作成の経験
Web系を目指すなら、技術選定の理由や設計判断を語れるようにしておくと説得力が増します。
企業が採用時に最も重視する項目は、ITスキルレベルだとされています。次に見られるのが経験や成果です。
クラウド化や 内製化が 進むなかで SIerの 将来性を どう 見るか
DX案件の需要が高い一方で、単純な開発請負は減り、上流やコンサルへの移行が進むと見られています。
ユーザー企業側でも、DXに対応するためのシステム内製化が進んでいます。SIerのSEの仕事も、クラウド上にシステムを構築するものが大半とされています。
前述の通り業界全体の売上は伸びていますが、個々の会社の状況は別です。
クラウドや上流の力を伸ばせるかどうかが、将来を分けると考えられます。
07転職前に 求人票と 公式採用情報で 確認したい 項目と 面接での 答え方

POINT求人票と公式採用情報は、担当工程、常駐の有無、配属、残業の扱いの4点を軸に読むと比べやすくなります。志望理由は顧客の課題解決を軸にまとめます。
求人票で チェックしたい 項目一覧:担当工程・ 常駐有無・ 配属・ 残業の 扱い
求人票は、書かれていることと書かれていないことの両方を見ます。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 担当工程 | 上流中心か、下流も担うか |
| 常駐の有無 | 自社内開発か、客先常駐か |
| 配属 | 決まる時期と方法 |
| 残業の扱い | 固定残業代の有無、月平均 |
このほか、次の点も確認しておきたいところです。
- 研修の内容
- 親会社案件の比率
- 元請けか下請けか
数字の記載が乏しい場合は、面接や説明会で質問しましょう。
口コミサイトで 客先常駐率や 下請け比率を 調べる 際の 見方
口コミは個人の体験にすぎません。投稿した人の部署や年次が、自分の志望する職種と違う場合も多いです。
見るなら、次の観点に絞ると安全です。
- 投稿の時期が新しいか
- 職種と配属先が自分に近いか
- 複数の投稿で共通しているか
常駐率や下請け比率は、口コミの数字をそのまま信じず、公式の事業紹介や面接で裏付けましょう。口コミは確認の入口として使うのがよい使い方です。
「なぜ事業会社や Web系ではなく SIerなのか」への 答え方
答え方の軸は、顧客の課題解決です。SIerは、幅広い業界の課題を要件定義から一貫して解決したい人に向くとされています。
たとえば、飲食店のアルバイトで在庫管理のミスに悩んだ経験から、システム導入で課題を解決したいと考えた、という筋書きが例として示されています。自分の経験に置き換えて、具体的な場面を入れましょう。
SIerと自社開発は、働き方も技術も大きく異なります。志望企業の形態を理解したうえで、惹かれた理由を話すことが求められます。
プログラミング経験は必須ではなく、課題解決力やコミュニケーション力も重視されます。自社サービスではなく、顧客ごとに異なる案件に関わりたいという意図を添えると、伝わりやすくなります。
SUMMARYまとめ
SIerは、顧客のシステムを企画から運用保守まで担う会社です。工程や企業タイプによって、担当業務も働き方も変わります。
年収や残業の数字だけで選ぶと、入社後にずれが出やすくなります。まずは担当工程、常駐の有無、配属の決まり方、研修の内容を、求人票と公式採用情報で見比べてください。
IT業界への転職を考え始めたばかりで、SIerが自分に合うか迷っている方に役立つ内容です。今のままで、入社後の自分は納得できそうでしょうか。その問いに答えられる材料を、志望理由の整理にも使ってください。
FAQ
よく ある 質問
- QSIerとは
何を する 会社ですか? SEとは 何が 違いますか? - ASIerは、顧客企業のシステムについて企画・設計・開発から運用保守までを一貫して請け負う企業を指します。和製英語で、System Integratorの略です。SEは個人の職種で、SIerはその人たちが所属する組織という違いがあります。SIerには、SEのほかにプログラマーや営業職、プロジェクトマネージャーなどが在籍しています。
- QSIerの
プロジェクトは、 どんな 順番で 進みますか? - A一般的には、顧客へのヒアリングと要件定義から始まり、基本設計、詳細設計、プログラミングと単体テスト、結合・総合テスト、受け入れテスト、納品、保守の順に進みます。厚生労働省の職業情報提供サイトでも、SEが設計や結合テストを、プログラマーがコーディングと単体テストを担うのが基本と説明されています。ただし担当範囲は会社や案件によって異なります。
- Q独立系・
ユーザー系・ メーカー系の SIerは、 どう 見分けて 選べば よいですか? - A資本関係で見分けます。独立系は特定の親会社を持たない企業、ユーザー系は事業会社の情報システム部門が子会社化した企業、メーカー系は機器メーカーのIT子会社です。選ぶときは、担当工程、親会社の有無による安定性、関われる業界の幅という3つの視点で比べてください。分類は各社の会社概要や沿革で確認できます。
- QSIerは
きつい、 やめとけと 言われるのは なぜですか? - A納期前やテスト、本番移行の前後に残業や休日出勤が増える傾向があるためです。配属先によっては客先常駐になったり、案件によって技術が身につきにくかったりする場合もあります。ただし企業や案件で差が大きいので、求人票や公式採用情報で担当工程、常駐の有無、残業の扱いを確認しておくと、入社後のミスマッチを減らせます。
- Q未経験でも
SIerの エンジニアに なれますか? - Aなれる場合が多いです。厚生労働省の職業情報提供サイトでは、システムエンジニア(受託開発)への入職に特定の学歴や資格は必要とされないと説明されています。新卒は入社後3〜4カ月の研修があり、配属後は約2年のOJTを受けるのが一般的とされています。プログラミング経験は必須ではありませんが、研修や資格取得の支援内容は企業ごとに異なるため、募集要項で確認してください。







